クリニック開業
医院売却 営業権ってなに?
医院売却のご相談を頂く際に、とくに多い質問が、「営業権ってなんですか?」「そもそも何を売却するんですか?」というものです。
今回は、そんな営業権の考え方について、出来るだけわかりやすい表現でご紹介していきます。
営業権とは・・・
「クリニックに患者が集まる、この見えない力をお金に換算したもの」 を指します。
たとえば、一日50人の患者が来院しているクリニックがあるとします。
ここで長く診察にあたってきた院長の力があり、患者さんが通院してきているわけですが、院長が後任に代わった場合に、患者さんの大半が離れていくでしょうか?
そうでないケースがほとんどかと思います。
少なくとも、医院承継の世界では「旧院長が診てきた患者は、一部を除きそのまま新院長が引き継ぐことができる」という考え方に基づき、話を進めていくことになります。
具体的には、「患者が来院しているこの医院の持つ力」を「営業権」と言う形でお金に置き換え、これを対価として新院長から旧院長へ支払うという方法がとられています。
ちなみに、一般的には営業権の計算方法は下記のように行うケースが多いです。
営業権の計算方法(黒字経営の場合)
院長の年間の所得 × 1年分 = 営業権
たとえば、赤字経営となっているケースでは、 営業権自体が評価されない場合がありますし、 また、直近3年間の所得を見た際に、右肩上がりや右肩下がりになっている際には、それを加味した評価になることもあります。
ちなみに、他の業界で会社を承継する場合には、この「×1年分」の箇所が「×2~3年分」として計算されるケースもありますが、医院承継の場合には、一定数患者が離れてしまうことまでを加味して、「×1年分」で計算されるケースがほとんどです。
最後に、医院承継において、譲り受け希望者は「土地建物」でもなく、「医療機器」でもなく、この「営業権=患者の引き継ぎ」こそが医院承継の主目的と捉えています。
よって、この営業権の設定が適正値となっているかどうかで、成功確率が大きく変わるため、設定時には注意が必要です。
弊社では、こうした営業権のシミュレーションも無料で実施しております。 医院承継を検討される場合には、お気軽にご相談ください。