クリニックの損益計算書から、院長が「自由に使えるお金」を見抜く方法

「ヒキツグ」には、毎月100件超の「譲り受け」を希望する医師からのお問い合わせが入っています。

「譲り受け」を希望する医師から頂く相談で多いものとしては、「各案件を引き継ぐとどの程度の所得が得られるか?」という質問です。

このようなケースにおいて、まず弊社では「現時点で承継元院長がどの程度の所得・利益(自由に使えるお金)を得ているか」という事実と見立てをお答えするようにしています。

それは、単純に損益計算書(確定申告書)に記載されている所得金額をお答えするのではなく、下記のような目線を持って、損益計算書を分析し、実態に近い所得・利益額(自由に使えるお金)を見立てた上でお答えしています。

クリニックの損益計算書から、
院長が「自由に使えるお金」を見抜く方法
(医療法人でなく個人クリニックのケース)

  1. ポイント1:院長の所得金額に「減価償却費」を加える
  2. ポイント2:「その年だけイレギュラーで発生した費用」を探し、院長の所得金額に加える

ポイント1:院長の所得金額に「減価償却費」を加える

「減価償却費」とは、高額な設備・機器を購入した際に、購入した年に一度に経費として計上せず、数年に亘って、分割して経費計上する費用を指しています。

つまり、損益計算書上に記載されている「減価償却費」というものは「既に支払いを完了していて、その後においては、実際にはお財布から出ていかないお金」と捉えることができます。

よって、これも院長の「自由に使えるお金」であると捉えることが出来るのです。

ポイント2:
「その年だけイレギュラーで発生した費用」を探し、院長の所得金額に加える

これは単年度の損益計算書を分析するだけでは、発見が難しく、およそ3期分の損益計算書を分析し、加えて院長にヒアリングすることにより発見できる内容です。

たとえば、過去3期分の損益計算書を見た際に、直近1期分のみ「広告費」が150万円増えている事象を発見した場合、この理由を院長にヒアリングします。

この理由が「患者が減ってきたので増患対策を打っている」ということであれば、今後も継続して発生しうる費用とみなします。

一方で、この理由が「スタッフが10年ぶりに退職したため、イレギュラーで採用広告費が発生した」ということであれば、該当費用は毎年発生する確率が低く、翌年以降は院長の「自由に使えるお金」と捉えてよいものとみなします。

※当然、スタッフが毎年欠員しているということであれば、採用広告費はレギュラーで発生するものとみなします。

このように院長の所得金額にポイント1・2の金額を加えることで、実態に近い「自由に使えるお金」の見極めが可能になります。

最後に、ここまでの内容裏切るような記載をしますが、本来、「"利益"というものは経営者の工夫次第」でいかようにも変えられるものとよく言われます。

現在の院長の利益・所得を気にすることは、「基準値」を知るという意味で非常に重要なことではありますが、それ以上にどうすれば「基準値」を超えることができるかという点を検討することが重要です。

そして、「基準値」を超える上では「売上を上げること」のみでなく、「費用を効率化させること」にも目を向ける必要があります。

具体的には、下記のような点が挙げられます。

・集患対策で打っている交通広告には効果はあるか?実は効果がなく、削減しても問題の無い費用ではないか?
・売上を引き上げるために、更にスタッフ数を増やそうと考えるのでなく、院内の業務フローを改善すれば、現在のスタッフ数でも対応できるのではないか?
・スタッフが欠員した際に、欠員補充するのでなく一度院内の不要な業務を全て洗い出し、この業務自体を削減すれば、欠員後のスタッフ数でも対応できるのではないか?

最後にまとめると、これから開業を予定している医師が「各案件を引き継ぐとどの程度の所得が得られそうか?」について検討する際には、まずは上述のポイント1・2を行い、「基準値」を把握することをおススメします。

更に、「利益」は自分の工夫次第で更に改善できるものであるという点を念頭に置いて頂き、実際にクリニックに出向き、内見や院長対談を通じて、「各案件のコストの改善幅」を分析してみることをおススメいたします。

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