第3回【賃貸借契約の見方】契約書の見方について①

賃貸借契約は数多ある契約の中でも法的な規制が厳しく、その内容は数種類に分類することができるような契約です。そういう契約を記した書面ですから、当然契約書も数種類の定型だけかというと、残念ながらそういうわけにはいきません。

賃貸借契約書は作成者や作成時期によって条文の順番や書き方が異なり、読み慣れていないと一読しただけでは理解しきれません。では熟読すればどうにかなるかというと、読めば読むほどわからなくなるのが実際でしょう。

特に承継案件では、数十年前に作成されたもの、途中で個人から医療法人に変更されているもの、理事長が貸主で法人が借主のもの、等々案件ごとで様々な契約書が存在します。

それらの契約書を読み解くには、何がポイントかを知りそこに焦点を絞って読むコツを掴むことが助けになります。

承継案件を検討する際には賃貸借契約書のどこを見ればよいか、そのポイントを挙げてみましょう。

Point⓪ 確認時の意識

承継案件では、売主の説明が実態と異なっている時が間々あります。そんな性質の悪い売主ではないから大丈夫、と安心するわけにはいきません。悪意がなくとも、説明の不足、もともとの売主の勘違いや理解不足などによって起こり得ますし、そちらのケースのほうが圧倒的に多いといえます。また、買主側が説明を勘違いして受け取っているケースもあります。
そのため、契約書の確認は、条件を検討するだけでなく自分の認識に間違いがいないかのチェックができる機会と捉えて、そういう意識をもって臨む必要があります。

Point① 物件の情報(名称・住所・広さなど)

まずは、賃貸借物件に間違いがないかを確認します。ビル名・住所だけでなく、床面積やどこからどこまでが賃貸借の対象になっているかをみる必要があります。
実は駐車場は含まれていなくて大家の好意で利用できていた、承継後は新たに契約が必要で賃料が発生する、といったケースもあります。特に賃貸部分と共用部分の範囲は重要で、物品の設置や管理・清掃の責任に影響を及ぼします。

Point② 貸主と借主

貸主が誰で、借主が誰かを確認します。
医療法人ごと承継するので安心していたら、賃貸借契約は借主が個人名から変更されていなかった、あわてて大家と交渉をしたら再契約となり賃料が上がった、というケースもあります。

Point③ 使用目的

物件を使用する目的が記載されています。記載以外の目的では使用できないため、注意が必要です。
使用目的は「診療所」「医院」といった記載が殆どですが、稀に「内科診療所」「眼科診療所」といったように科目が特定されているものを見かけます。単なる記載上のことであればよいのですが、大家がその科目に思い入れを持っていたり周辺の競合関係で縛りがあるようなケースもあります。他科の診療所を居抜き等で引き継ぐ時には注意が必要です。

Point④ 契約期間と期間満了時の扱い

契約期間がいつからいつまでか、契約期間が満了した時にはどうなるのかを確認します。
普通契約(満了後は自動更新)なのか定借契約(満了時点で契約終了)なのかがわかります。契約を名義替えで引き継ぐ時には、普通契約であれば更新時期と更新料を、定借契約であれば残期間を確認しておく必要があります。

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