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クリニック開業

第5回【引継の実務と手続き】①承継実務の区分

医院の承継開業の実務は、大きく前半後半の2つに分けることができます。
相手探しから交渉を経て譲渡契約に至るまでの一般的に「M&A」と呼ばれる部分は、承継開業の前半になります。譲渡代金や運転資金などの資金調達で行う銀行との融資交渉も、契約成立の必須条件になるのでこちらに含まれるでしょう。

前半が終了すると、次には引き継ぎの実務が始まります。仲介会社などがサポートしてくれるM&Aの実務とは異なり、こちらの実務は売主買主が自分たちで行うことが前提となります。この部分は、M&Aで締結した契約を基に行う引き渡しまでの作業で「PMI(Post Merger Integration、ポスト・マージャー・インテグレーション)」と呼ばれています。

承継開業が盛んになっている一方で、PMIの過程を上手く乗り越えられずに円滑な引き継ぎができないようなケースが目につくようになっています。 今回から数回に渡り、引き継ぎで必要となる実務と手続きを説明していきます。

引継の区分

一般会社の事業が業務の内容によって「管理統括部門」「製造部門」「営業部門」「事務部門」と分けられるように、診療所という事業も大きく2つの部門に分けることができます。

診療部門

一般の会社でいえば、製造・営業といった現場を担う部門です。メンバーとしては、医師・看護師・看護助手・検査技師といった医療従事者が該当し、医療事務もこちらに含まれます。

運営部門

経理・総務・人事といった一般事務だけでなく、管理や企画といった全体を統括する業務も含みます。事務長や経理といった職種ですがそれぞれの診療所によって担当者ややり方が異なります。

各引継の特徴

引継には特に名称はありませんが、診療部門の引継を「診療引継」、運営部門の引継を「運営引継」として、それぞれの特徴をみてみましょう。

診療引継

実際の診療や診療に関わる諸事についての引継ですので、既存のスタッフが残るのであれば新しい医院に着任したときのことをイメージするとわかりやすいと思います。とはいえ売主との協議により決定することが多く、承継開業ならではの困難さがあります。
売主買主の両者が揃って常勤で入り引き継ぎを行うことは殆どありませんので、非常勤の中でどのように引継を行うかが課題となります。
・引継の期間をどのぐらいとるか
・引継の日程をどう調整するか
・期間中の給与をどうするか
診療という、売主と買主に共通した知識と経験がある内容を引き継ぐので、日程さえ決まれば比較的支障なく進む引継といえます。ただ、引継期間の両者の関係は、雇用や上司部下といった明確な上下関係ではありませんので、主張がぶつかりあってギクシャクしないよう互いに尊重し合う意識を持つことが必要です。

運営引継

承継開業をする医師が、不安に思うのがこちらの引継だと思います。
第三者承継は資産の譲渡であって、両者の関係はあくまで売主と買主です。引継は、共同で行うものではありますが、基本的には買主が主導し売主が協力する、という形で進みます。
以前お会いしたなかに「承継なので何でも揃っているはずだから、引渡日に鍵をもらいに行けばいいんでしょう」という方がいらっしゃいました。これは極端な例ですが、誰かが進めてくれると思っている方は比較的多いようです。
承継は育成ではないこと、引継は買主が主体となって進めること、をまずは理解することが大切です。そうでないと、いつの間にか月日だけが経ってしまうことになります。

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