第6回【融資の実際】①融資の相談先

承継開業は何度も経験することではありませんので、診療を引き継ぐこと以外のほとんどが初体験となります。それでも、今までの勤務経験から想像できることであればよいのですが、中にはまったく未知のことに対処しなければならない場合もでてきます。
その中でも「融資」は、未経験の方が多いのではないでしょうか。それも、借りられるかどうか自信がないというより、融資ってそもそもどうやって進めるのかわからないという方が大多数でしょう。
・金融機関は、何をみて融資の判断をするのだろう?
・融資をしてもらうまで、どういう手順でどのくらいかかる?
・どんな書類が必要?
・どのくらい借りればいい?
・どんな条件がだされるのだろう?
・そもそも、どこに相談すればいいの?
何回かに分けて、そんな疑問に答えていきます。素朴な疑問のようですが、それを解決していくことで融資の実態がみえてきます。

(1)相談先の対象は?

融資を受けたいと思ったとき、相談する先はどこなるでしょう?
金融機関に決まっているでしょ。
そう答えておしまいのように思える疑問ですが、いざとなると金融機関といっても種類がありどこを対象にしていいか迷うことになります。素朴すぎる疑問かもしれませんが、まずはどんな金融機関があって、具体的に相談に乗ってくれそうなところはどこかをみてみましょう。
医院の承継開業で融資の相談ができる金融機関などには、
〇日本政策金融公庫
〇都市銀行(三井住友・三菱東京UFJ・みずほ・りそな)
〇地方銀行
〇信用金庫・信用組合
〇ノンバンク
〇ファクタリング
〇医師協同組合
といったところがあります。
このうちノンバンクとファクタリングは金額枠・金利・返済期間・担保などを考えると、よほど他で借りられないといった事態にならない限りは現実的ではないでしょう。
医師協同組合の融資は、銀行と比べて審査が早いなどの利点がありますが、組合員(基本は開業医)対象の融資なので初めての承継開業では利用が困難です。
実際に相談する先としては、公庫と銀行(都市銀行、地方銀行、信用金庫・信用組合)が候補となります。
また、ファイナンスリースの会社が銀行と組んで医療機関専門に融資をしているサービスもあります。リース会社が関わるので金利が高いというイメージがありましたが、最近は金利も下がり担保設定などでは銀行直接よりも条件がいい場合も出てきています。相談先候補の一つといえるでしょう。

(2)相談先選びのポイントは?

数ある金融機関の中から実際に相談する先を選ぶとき、何をポイントにして探せばよいでしょうか?
金利の低いところから借りたいというのは当然の考えですが、それ以前に借りられなければどうしようもありませんので、優先順位としては「自分に貸してくれそうなところ」が最も高いことになります。
どの銀行も医療機関への融資は行っていますが、部署を作って積極的に行っているところもあれば相談がきたら対応するといった程度の力の入れ方のところもあります。当然「医療機関への融資を積極的に行っているところ」の方が、より良い条件で借りられる可能性が高まります。
同じ開業でも、承継開業と新規開業では事業評価の仕方が異なります。M&Aや承継を理解していないと、マイナスから始まると判断して新規開業より悪い条件を提示してくることがあります。「M&Aや承継への理解があるところ」も大切なポイントとなります。
医療機関に積極的、M&Aに理解がある、といったことは簡単にわかることではありませんので、税理士やコンサルタントなどに意見を聞いてみてもいいでしょう。

銀行が融資をするのは、原則として営業範囲内に医院又は借主の居住地があるところに限られます。であれば近くて便利だ、とは一概に言えません。例えば、県内に1店しかない銀行であれば県全体が営業範囲内ですが、銀行にとっては範囲内でも借りる側からすればとても不便な場所になってしまいます。窓口収入の入金など、開業後は銀行に出向くことが多々あります。医院と自宅のルートを踏まえて便利な場所を選ぶ必要があります。
良い条件を得る方法は、当たり前ですが良い条件を提示してくれそうなところに相談することが近道です。ポイントを踏まえて自分に合った相談先を選択しましょう。

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