案件探しの始め方 Step6:ネームクリアから最終契約締結まで

Step6:ネームクリアから最終契約締結まで

ネームクリアから資料の検討が済むと、内見面談を経て最終段階の契約締結へと移っていきます。最終段階への進み方は、交渉の状態(候補者が単独なのか複数いるのかなど)や、仲介会社のやり方によって進み方が違ってきます。
今回は、いままでの手順を整理するとともに、以降の流れを説明していきます。

(1) 契約締結までの流れ

①ノンネーム検討~基本情報開示

・ノンネーム検討
まずは、大まかな立地・科目・売上などが記載されたノンネーム情報を見て、希望に合致するかどうか見当をつけます。
・ネームクリア
良さそうな案件があれば、医院の基本情報を開示してもらえるかどうかの打診をします(ネームクリア)。開示にあたっては、仲介会社と秘密保持契約やアドバイザー契約などの締結が必須となります。
・基本情報開示
売主から承諾が得られたら、医院名・住所・開設管理者・図面・賃貸条件・スタッフ構成・直近の決算といった基本資料が開示されます。稀にですが、承諾されない場合もあります。
開示された資料を基に、1~2週間程度で次ステップ(内見面談)に進むかどうかを判断することになります。

②内見面談~意向表明

・内見面談
診療時間後や休診日などスタッフのいない時間帯に医院を訪問し、売主との挨拶・施設内見・質疑応答を行います。挨拶では経歴や興味を持った理由などを伝えます。内見では自分が働くことを意識し、質疑応答では自分が院長になることを意識してみるとよいでしょう。直接条件交渉を行うことはせず、主に診療・運営関連を中心に確認していくこととなります。
・追加資料や質問
内見面談で新たに気付いた追加資料や質問を整理し、依頼します。だいたい2~3週間程度の期間で行うこととなります。
・意向表明(条件提示)
内見面談から約1ヶ月程度で、次ステップ(契約交渉)に進むかどうかの意向を表明します。その際には、基本的な譲渡条件(金額・時期・その他条件)を提示することとなります。候補者が複数いるときには提出期日や形式が定められ、その内容をみて売主が候補者の絞り込みを行います。

③基本合意~最終確認

・基本合意
提示された条件を売主が承諾すれば、基本合意書を締結します。この段階で一定期間(1~2ヶ月程度)の優先交渉権又は独占交渉権が付与されます。一定期間のうちに最終契約締結まで進むことを目指して交渉を行いますが、この期間中は他候補者を気にすることなく進めることができます。
基本合意は大きな問題が出てこない限りそのまま最終契約へと移ります。大きな問題が出てこない限りは、基本合意時点の意向や条件がほぼそのまま最終契約でも活かされます。そのため、交渉期間を得るために固まっていないにも関わらず意向を表明したり、独占交渉権を得るためだけに無謀な条件設定(支払う気のない高額な譲渡価格、実現不可能な引継時期など)を提示したりすることはできません。
・最終確認(デューデリジェンス)
M&Aでいうデューデリジェンスとは対象事業の法務・財務・労務などを調査する買主側の活動を指します。病院事案の場合は弁護士や会計士などの専門家を雇って行う場合もありますが、資料が限られる医院事案ではそこまで行うケースは殆どありません。今まで開示された資料を再確認し必要な資料があれば開示を依頼する程度のこととなります。
・最終確認(条件)
譲渡条件の最終確認をします。どうしても譲渡代金にばかり目がいき勝ちですが、どの資産を引き継げるのか、どの負債は売主が整理してくれるのか、といった引継資産負債の確認は必須です。賃貸物件では保証金はどうなるのか、ローン支払いの負債はどうするのか、など必要な資金に大きく影響するものもあるので、注意が必要です。
・最終確認(スキーム)
代金の受け渡しのやり方、資産負債の整理の方法、引き継ぎのやり方など枠組みを確認します。

④最終契約書案作成~契約締結

・最終契約書案作成
条件の最終調整が終わったら、最終契約書案が作成されます。ほとんどの場合は仲介会社が案を作成し、売主買主が内容を検討します。案件の種類やスキームによって、最終契約書はタイトルも含めて異なってきます。売主買主が責任を負う最終的な契約ですから、不明な点があればしっかりと確認することが必要になります。
・最終契約書締結
製本された最終契約書に署名押印をし、契約が締結されます。
原則としては、最終契約が締結されて初めて「銀行への相談」「家主との交渉」「スタッフ・患者への告知」などをオープンにすることができます。
そのため、原資調達・賃貸契約などは最終契約締結後となるため、不安があるときには調達できなかったり契約ができなかったりしたときにどうするかを特約事項として記載することもあります。

最終契約締結は承継開業のゴールではありません。最初の数キロを走ったぐらいのところでしょうか。承継開業というマラソンを走り切るには、まだまだ長い距離が残っています。とはいえ、最初の一歩を踏み出さなければゴールすることはできません。
何回かに渡って説明してきたネームクリアに始まり検討・交渉するまでの部分は、マラソンでいえばほんの数メートル程度のものかもしれません。しかし、ゴールを目指すための最初の数メートルですので、しっかりと地に足を付けて駆け出していく必要があります。

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